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肘の痛み

肘の痛みとは

肘の痛みとは肘は転倒などで強い外傷を受けやすく、様々なスポーツでオーバーユースされ、変形・痛み・痺れ、動かしにくさなどの症状を起こすことも多くなっています。また、肘は腕を動かすだけでなく、手先の繊細で緻密な作業や感覚にも大きく関与する部位であることから、症状があると日常生活の様々な場面で頻繁に支障が生じます。肘への負担を軽減するために、過度な負担を避ける動作を身に付けることが症状の改善や悪化・再発防止には重要になります。
肘の症状がある場合、適切な検査で骨や関節、靱帯、腱などの状態を十分に把握し、肘の動きや肘への負担に関与する他の部位の状態もチェックする必要があります。その上で症状の内容や検査結果を総合的に判断し、原因にアプローチした適切な治療やリハビリテーションを行います。

肘の構造

肘関節は、肩へつながる上腕骨、手首につながる橈骨と小指側に伸びる尺骨が組み合わされた構造によって、曲げ伸ばしやひねりなどの動作が可能になっています。また、肘関節の周囲には手指の繊細で緻密な作業や動き、鋭敏な感覚などを制御する神経や筋肉、腱、靱帯などがあり、肘関節に問題があると指の痺れや痛み、動かしにくさなど、日常生活への影響が大きい症状が現れることがあります。

主な症状

  • 肘を曲げたり伸ばしたりすると痛む
  • 肘の曲げ伸ばしがスムーズにできない、途中で引っ掛かる
  • 肘を完全には曲げられない・伸ばせない
  • 何か持つと肘の外側が痛い
  • 指先や手首が痺れることがある
  • 指先の感覚鈍麻・感覚異常がある
  • 指の細かい動きや微妙な力加減がコントロールできない

など

肘の内側を通る尺骨神経は、小指・薬指・手首の動きや感覚をコントロールしていますので、肘関節の問題によって尺骨神経が圧迫されると小指・薬指・手首の遺体や痺れ、動かしにくさなどの症状を起こします。

代表的な疾患

肘の外側が痛い「テニス肘・
スマホ肘(上腕骨外側上顆炎)」

肘の外側にある、手首を動かす筋肉に炎症が生じることで、肘の外側の痛みや握力の低下が起こります。炎症は手首をオーバーユースすることで生じます。テニスだけでなく、ゴルフや釣り、あるいは、赤ちゃんを抱っこ、長時間同じ姿勢でスマートフォンやパソコンの使用を続けることで負担が蓄積して発症するケースなど、多岐にわたります。

肘の曲げ伸ばしの際に引っかかる感じがする「変形性肘関節症」

肘の怪我や、負担が長期間に渡って蓄積するなどによって肘の骨が変形し、肘の骨の間にある軟骨がすり減って、痛みや曲げ伸ばしをスムーズにできないといった症状を起こします。肘の可動域も狭くなり、曲げ伸ばす際に引っ掛かるように感じる症状を起こすこともあります。変形が進行すると尺骨神経を圧迫し、指先の痺れや指を広げられないなどの症状を起こすこともあります。
日常生活に支障を生じさせないためにも、早期に受診して適切な治療を受け、悪化させないことが重要になります。肘の痛みや曲げ伸ばしの違和感などがありましたら、早めにご相談ください。

指先にしびれが出る
「肘部管症候群」

肘の変形や、軟部組織と神経の炎症によって、尺骨神経が圧迫などの刺激を受け、指先などに痺れや麻痺を生じる疾患です。進行すると、薬指や小指の感覚鈍麻、変形、小指側の手のひらにある小指球筋の痩せなどが生じます。感覚鈍麻などの感覚異常と動きが悪くなることから、日常生活や仕事にも悪影響を与える可能性があります。

肘の内側が痛い「野球肘」

投球の際には、肘の内側に牽引力や張力が、外側に圧迫力や回旋力がかかります。投球動作を繰り返すことでこうした力によるダメージが肘に蓄積し、靱帯損傷や骨の剥離、離断性骨軟骨炎などを発症します。野球肘は成長期の発症が多く、手術が必要になることもあります。
肘以外の部位が関与して発症していることも多く、成長期の場合には柔軟性の不足や部位による発達状態の違いも発症に影響します。当院では、より早い復帰と再発防止を目指した治療も可能です。リハビリテーションでは、整形外科専門医と密に連携した理学療法士が全身のバランスを確認しながら、可動域・柔軟性・筋力などを回復・向上させ、フォームをチェックして、負担を軽減し、パフォーマンスアップにつながるような調整を行っています。

子どもの肘脱臼「肘内障」

亜脱臼と呼ばれており、飛び出そうとした子どもの腕をつかんで引き戻した際に生じるケースが大半を占めています。こうしたシチュエーションの後で子どもが肘の痛みを訴え、肘を動かせない場合には速やかに整形外科の受診が必要です。正しい位置に戻す整復をできるだけ早く行うことで、周囲組織への損傷を最小限に抑えられます。

検査と診断

X線検査

骨の変形、剥離骨折、骨軟骨片や石灰化など、骨の状態や異常を確認するために行われます。

超音波(エコー)検査

超音波診断装置X線検査では確認できない、筋肉、靱帯などの軟部組織の状態をリアルタイムで確認でき、関節の安定性、炎症の有無・程度・部位などを把握することが可能です。

MRI検査

肘の内部にある靱帯や腱などの軟部組織を詳細に確認できる精密検査であり、一般的な検査では評価が困難な異常が疑われる場合に行われます。必要な場合には連携している高度医療機関をご紹介し、そちらで検査を受けて頂いています。

治療

薬物治療

痛みや炎症を抑える内服薬や外用薬の処方を中心に行っています。

物理療法

物理的な刺激を利用した療法です。表面からでは届かない深層にある部位をピンポイントに温めることができ、必要な範囲の血液やリンパ液の循環を改善して痛みなどの症状を改善し、筋肉の緊張をゆるめます。運動療法と組み合わせて行うことで、より高い効果が期待できます。

運動器リハビリテーション

より早い回復のためには、筋緊張をほぐして筋力や柔軟性を向上させるストレッチやトレーニングが有効です。肘の疾患発症に全身の様々な部位が関与している場合には、全体のバランスを調整し、関節の動きや可動域などを改善することが重要になります。また、フォームや姿勢もチェックし、肘をはじめとした身体への負担軽減につながる動作が身に付くよう、丁寧に指導することで、再発防止やパフォーマンスアップにもつながるようサポートしています。

リハビリテーション

装具治療

負担を軽減して安静を保つために固定が必要な場合に行われます。主に、サポーターやバンドなどが使われます。

手術治療

保存的療法では十分な効果が得られない場合や、状態によっては手術が必要になるケースもあります。連携している高度医療機関をご紹介していますが、術後のフォローとなる診療やリハビリテーションは当院で受けて頂けます。

肘の痛みでお困りの場合は、お気軽にご相談ください

肘の痛みでお困りの場合は、お気軽にご相談ください肘関節は腕の動きを制御し、手首や指先の精緻な動きや繊細な感覚のコントロ-ルにも大きく関与していますので、肘に症状があると日常生活に様々な支障を及ぼします。特に注意が必要なのは、進行すると尺骨神経を圧迫して、指先の痺れや指を広げられないなどの症状を起こす変形性肘関節症です。早期治療がとても重要ですので、肘の痛みや違和感が続く場合には、軽度でも早めにご相談ください。

よくあるご質問

肘がぽきぽき鳴って痛い原因は何ですか?

一般的に「関節音」と呼ばれます。関節を動かした際に膨張したガスが破裂することで関節軟骨を刺激し音が鳴ります。 放置してもやがて鳴らなくなりますが、痛みや違和感が伴う場合は、関節の問題を示す可能性がありますので早めに整形外科を受診しましょう。

肘の痛みががんの可能性はありますか?

肘の痛みがんの可能性は、極めて稀ですがゼロではありません。 一般的に肘の痛みは、筋肉や腱、関節の問題が原因ですが、場合によっては「骨肉腫」や「軟部肉腫」など、肘周辺の骨や軟部組織に発生するがんが痛みの原因となることがあります。 骨肉腫は、特に10代から20代の若年層に多く見られ、骨の痛みや腫れが症状として現れます。

テニス肘は放置しても治りますか?

軽度の場合は、数週間~1か月程度の安静で一時的に治ることがありますが、重症化すると鎮痛剤を使用しても症状の緩和が見込めず、手術が必要になる場合があります。個人差がありますが、完治に半年程度要しますが、早期に受診していただけるほど、早期の復帰を見込めます。違和感がある段階での受診をおすすめしています。

テニス肘の場合は冷やした方がいいですか?温めたほうが良いですか?

急性期は、熱感をもつ患部を冷やすと効果的です。慢性的に痛みが続いている場合にはアイシングにより症状を悪化させてしまう場合がございます。患部を温めることで、症状の緩和につながることがあります。ただし、根本的な原因にはアプローチできていない状態ですので、症状が出たら早めに受診することをおすすめしています。

肘が痛いときはどのように寝ればいいですか?

痛みを感じる患部を、負担がかからないよう枕などで高くすると効果的です。また、体をねじらないようにまっすぐ寝ることでより肘への負担を軽減することができます。

スマホ肘の治し方を教えてください。

第一に安静にして早めに受診することが重要です。家庭でできるセルフケアとしては、長時間のスマホ操作を避けることも重要です。

スマホ肘・テニス肘のセルフチェック方法を教えてください。

腕を伸ばした状態でカバンなどを持ち上げると肘の外側に痛みが出る、または肘が痛くて持ち上げられない、あるいは肘の痛みでペットボトルのふたが開けられないなどに該当する方は、スマホ肘・テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の可能性があります。重症化する前の早めの受診が重要です。